皆さんは“加速装置“と聞いて何を想像されますか?
SF映画に出てきそうですが、ここでお話しするのは治療が加速される装置のことです。
矯正治療において治療の加速とは治療期間の短縮を意味します。
歯が動く仕組みについては当院のブログ(「矯正中は歯が痛い?」2020/11/19)にもありますが、矯正治療は歯の根を囲む歯槽骨に圧力を加えることにより歯が移動します。
顕微鏡レベルでは歯槽骨を形成する細胞の吸収、新生が繰り返されます
1)仕組み
近赤外線(波長の短い光のエネルギー)という赤外線の一種を利用する治療法で「フォトバイオモジュレーション」といわれ医療分野で広く応用されています。
外傷の治癒促進、組織の炎症の軽減、口内炎などにも効果があるとされています。
これを矯正治療に応用することにより、歯根を支える骨の血流が増加し骨代謝が促進され歯の移動が加速されます。
Orthopulse®(マウスピース状の形態で上顎、下顎それぞれ分けて使用します)
2)効果
この近赤外線(波長の短い光のエネルギー)を歯周組織に当てることにより歯の周囲の歯茎、骨の細胞を活性化させます。その結果、歯が動くスピードが速まり、さらに痛みを和らげる効果があります。
この近赤外線エネルギーは、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といったどんな治療にも効果があると言われています。
この装置はだいぶ小型化され家庭で簡単に使用でき毎日10分程度の使用で効果が得られ、治療期間の短縮が期待できます。